2023年度「東地域共同訓練」を開催しました

2023年度「東地域共同訓練」を開催しました

 配電部門は、非常災害時における相互応援の円滑化を図るため、11月8~9日の日程で北海道電力ネットワーク㈱(以下、「北海道電力NW」)と東京電力パワーグリッド㈱(以下、「東京電力PG」)と共同で訓練を実施しました。その様子をお伝えします。

北海道電力NW・東京電力PGと共同実施、初の東北開催

 今回の訓練は一般送配電事業者(以下、「一送」)10社が共同で策定した「災害時連携計画」に基づき、非常災害時における相互応援の円滑化を図ることを目的に行われたものです。東日本の一送3社(東北電力ネットワーク(以下、「東北電力NW」)、北海道電力NW、東京電力PG)が連携計画に沿った実働訓練を実施するのは昨年に続き2回目で、東北地域での開催は初めてとなります。

 「災害時連携計画」は2019年の台風15号・19号をはじめとした一連の災害に係る応援実施における課題や指摘等を踏まえて翌年の2020年に策定されたもので、共同訓練の実施のほか、一送間での共同災害対応、復旧方法や設備仕様等の統一化などについて具体的な事項が定められています。

一連の作業を行い、連絡方法や統一仕様の機材や工法を確認・検証

 今回の訓練の想定は「東北電力NW管内でマグニチュード7.4の地震が発生し、それにより福島県を中心に大規模な停電が発生した」というもの。このシナリオを基に当社は北海道電力NW・東京電力PGからの応援派遣の受入を行い、その後3社による設備巡視、高圧線断線修理、高圧発電機車での応急復旧を実施する…という内容でした。

 今回の訓練が通常の訓練と違うのは「災害時連携計画」に定められた共通仕様の工具・工法を確認・検証するという点です。これは普段使用している資機材・工具の仕様が一送各社で異なり、応援時に資材・工具が合わないことが原因で復旧作業の支障となる事象が過去に発生したことを踏まえ、円滑な復旧作業が行えるよう、応援に使用する工具の仕様や復旧方法が全社で統一されたものです。今回の訓練では、締め付けコネクタを使用しての高圧線断線箇所復旧や応援先電力会社の機材(ダイス)と組み合わせることで全社の電線に対応可能な「電線被覆剥取工具(マルチホットハグラー)」を使用した応急送電、高圧線断線時と電柱地際折損時における全社統一の仮復旧方法について確認・検証が行われました。

 今回の訓練では実際の作業のほかに受入会社と応援会社間の連絡方法についても確認がなされ、実際の現場を想定した訓練となりました。
 各社の復旧作業は時間をずらして行われたため、参加者や視察者は各社の作業の様子をそれぞれ見ることができ、熱心に見学して技術を高めようとする様子が見られました。

 作業終了後には意見交換会も開かれ、各社の課題などについて議論が交わされました。
 ご視察いただいた経済産業省産業保安グループ電力安全課の前田課長より,「キビキビと作業する姿や配電文化伝承室を拝見して、感無量で言葉にならない。我々はバックオフィスで皆さまをお支えする立場であり、現場の方がどのような思いで仕事をされているか、確認していくことが重要と感じた。」と講評をいただいております。
 また、訓練参加者からは「訓練内容は、実態に即したものであり、非常に有意義であった。」「指揮命令系統に基づき本部と現場間、現場の作業員同士で意思疎通がしっかりとられていた。」とコメントが寄せられました。

東北電力NW 配電部門の機材展示も行われました

 会場となった総合研修センター(福島県相馬市)には、DRサポートカー(現地指揮をサポートする車両)やGサポートカー(作業員の休養をサポートする車両)をはじめとする当社配電部門の各種機材も展示されました。

東北電力NW 配電部門の機材展示も行われました イメージ1

 特に現在配電部門にて試験導入中の電動キックボードは各社からの質問も多く、試乗も行われていました。

総務部門の連携訓練も同時開催

 訓練会場では今回、東地域共同訓練と合わせて、「他業種と連携した非常災害訓練」が実施されました。
 これは、「東地域電力技術会議」における関係部門および他業種と連携した訓練について、試行的に関係者の合同訓練とすることで、効率的な実施および非常災害時の連携強化を図るものです。
 訓練は総務班が主体となり、東地域共同訓練と同じ11/8~9の2日間で、NEXCO東日本様との相互支援(緊急車両の通行申請確認)、イオン様との救援物資受入、エアーテント設営、炊き出しなどを行いました。
※東北電力NW、北海道電力NW、東京電力PG、電源開発送変電ネットワークからなる会議

 炊き出しが行われたメニューは「山形風芋煮」で、訓練の参加者及び視察者に振舞われていました(残念ながら味の方は取材できず…)。訓練ではありますが、各地域からいらっしゃった方々へ秋の東北らしさを味わっていただけたのではないかと思います。

デジタルBRIDGE記者の視点から

 複数の一送が一堂に会し、同じ作業を行うという今回の訓練。デジタルBRIDGEの担当者として、「会社間の違いを比較するにはもってこいの訓練だな」と思いました。
 東北電力NWの配電部門は統率のとれた高いチームワークや強い一体感が魅力だと考えていますが、他社の配電部門の方はどのような雰囲気なんだろう…と取材前から気になっていました。
 実際に現地で取材して感じたのは、作業をしていて一番声が大きく、声がけが多かったのは東北電力NWだったということ。もちろん他の2社も色々な声がけを行っていましたが、アウェーということもあってか?幾分控えめに感じられました。
 東北電力NWは作業の始まりから終わりまで終始何かしらの声がけ(報告、復唱、注意喚起など)を行っており、「今は何の作業が進行しているのか」「今は何に注意しているのか」「次に何を行う予定なのか」が手に取るように分かりました。これは作業を見守る地域の方々の安心感にもつながるものだと思います。

 そのほかには、車両の仕様が微妙に違うというささやかな気づきも。北海道電力NWの高圧電源車のコンテナには一見するとパトライトのような灯具が付いており、「でもパトライトにしては位置が妙だな…」と思って詳しく伺ったところ、「作業灯」とのことでした。これは当日集まった3社の高圧電源車の中では唯一のもので、なるほど電源車側からも照らすシーンを想定しているのか!と、安全で円滑な作業のための飽くなき工夫に感心しました。

 電力の安定供給のために日々技術・技能を磨き、地域社会の安全・安心・快適な暮らしを支える皆さんの強い使命感を改めて肌で感じた取材となりました。

訓練の様子を動画でご覧ください!

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