■電力システム部■
2023年度「電力システム部門 総合技能大会」を開催
電力システム部は、3月13日~14日に、総合研修センター(福島県南相馬市)にて2023年度「電力システム部門 総合技能大会」を開催しました。
給電・変電・送電部門の精鋭が集結!新たな試みにもチャレンジ
「電力システム部門 総合技能大会」は、昨今の災害の激甚化に伴うレジリエンス強化を主眼に、災害対応力や技術力を継承することを目的に開催。各支社から選抜された総勢98名の給電・変電・送電部門競技者が、自然災害などを想定した各課題に対し、日頃から磨き上げた技術・技能を競い合いました。
今大会では、「豪雨による水害」をテーマとした競技を新規採用するとともに、送電線建設イメージARアプリや変電所操作支援用のスマートグラス活用システムなどのデジタル技術活用に焦点をあてた展示ブースを設置するなど、新たな試みにも挑みました。
大会当日は、関東東北保安監督部東北支部や企業グループなど、社内外合わせて約70名が会場で見学し、山田副社長からは競技者への奮闘を期待する言葉がありました。また、多くの社員が競技を見られるよう、Teams会議を活用したオンライン配信も行いました。
各競技の概要
【給電部門】テーマ:系統事故復旧、 競技者:各制御所の代表 計28名
変電所の66kV母線事故時における復旧優先順位(電気探査と系統切替)を判断し、系統操作シミュレータを使用して供給支障解消に向けた系統事故復旧操作を行いました。
【変電部門】テーマ:変電所浸水時における対応、 競技者:各支社の代表 計28名
変電所浸水直後の初動対応を想定。Webカメラを活用した被害設備の状況確認を行い、復旧に向けた対応方針を検討のうえ、設備の健全性確認試験を実施しました。
【送電部門】テーマ:がいし取替・作業員救助、 競技者:各支社の代表 計42名
早期に改修が必要ながいし損傷を発見したことを想定した「がいし取替」を実施。また、電線上での宙乗作業中、作業員が体調不良により動けなくなったことを想定した「救助作業」を行いました。
競技者らは、選抜チームとしての誇りを胸に、真剣な面持ちでキビキビと競技に臨み、大きな声を掛け合いながら一致団結して日頃の成果を遺憾なく発揮していました。
栄冠は どのチームに
全日程が終了後、各部門の審査により、一番評価が高かったチームを「優秀賞」として表彰しました。
給電部門:新潟制御所
変電部門:山形支社
送電部門:宮城支社
競技者の声
給電部門: 系統事故による影響の大きさを考慮することや、安全最優先ではあるものの供給支障時間短縮が社会から強く求められていることについて再考することができ、系統運用のあり方を確認することができた。
変電部門: 本番に向けた練習などを通して、日頃の業務の再確認、より良い復旧方法の検討ができた。初めて豪雨水害がテーマとなったが、実際の対応時に本ノウハウを生かせるような内容で有意義だった。
送電部門: 他支社・関係会社の作業手順や使用工具を参考にできるよい機会となった。大会への参加を通じて、実設備でも通用すると自信がついた。他部門や関係会社との交流も深めることができた。
さいごに
競技参加者は、本大会を通して技術力や災害対応力向上が図られるとともに、他チームの作業を見学することにより、作業工法の工夫など新たな知見が広がりました。また、他部門の競技を相互に見学することにより、電力システム部門全体としての一体感の醸成や士気の高揚が図られ、非常災害時の部門間の円滑な連携に寄与できる大会となりました。
電力システム部門では、引き続き、本大会の継続開催を通して、個々の技術力向上のみならず、組織力向上、非常災害時のレジリエンスや部門間連携の強化につなげていくこととしています。