疫学研究

関連用語集

疫学の判断基準(ヒルの判断基準)

 世界保健機関(WHO)のホームページで紹介されているウィスコンシン医科大学のQA集では、電磁界とがんに関する疫学研究および動物や細胞を使った実験室研究を評価するための基準(ヒル基準)について、下記のとおり解説しています。

判断基準 解説 磁界とがんの関係
(1)関連性の強さ 疫学研究において
  • がんのリスク=5以上は、強い関連性がある。
  • がんのリスク=3以下は、弱い関連性がある。
  • がんのリスク=1.5以下は、基本的に無意味である。
磁界の影響ありとする疫学研究のがんのリスクは2以下であり、関連性は弱い。
(2)関連性の一貫性 多くの研究が同一のがんに対して、同程度のリスクを示しているかどうか。 磁界に関する疫学研究では、がんのリスク増加を示している研究も多くあるが、示していない研究も多くある。
(3)量−反応の関係 ばく露が大きくなると、それに比例してリスクも大きくなるかどうか。 磁界の疫学研究で、統計的に有意な量−反応の関係を示すものはない。
(4)実験室の証拠 関連を指示する動物や細胞を使った実験的証拠があるかどうか。 磁界ががんの原因であることを示す細胞実験、動物実験の証拠はほとんどない。逆に、日常レベルの磁界に発がん性がないことを示す強い証拠がある。
(5)生物学的メカニズム 磁界とがんの関連を示す説得力ある生物学的メカニズムが存在するかどうか。 現時点では、説得力ある生物学的メカニズムはない。
総合評価 磁界とがんの関連性について、現時点の証拠は弱く、ないに近い。

電磁界について