疫学研究
電磁界に関する研究事例
アールボムらによるプール解析
磁界と小児白血病に関するプール解析
カロリンスカ研究所(スウェーデン)のアールボム博士が中心となり、9件の疫学研究データのプール解析を実施しました。
その研究結果が、British Journal of Cancerの2000年9月号に発表されています。
研究目的
磁界ばく露と小児白血病の間に関連があるかどうかを、既に行われた複数の疫学研究データにより評価する。
研究結果
- 磁界ばく露レベルが、0.4μT未満の子供に関しては、ほぼ影響のないことが観察された。
- 一方、磁界ばく露レベルが、0.4μT以上では約2倍の相対リスクの上昇が見られた。
- この上昇は偶然とは考えにくい。その原因は不明であるが、選択バイアス(選択の偏り)が部分的にかかわっているかもしれない。
IARCの評価
小児白血病と高いレベルの磁界の関連は偶然であるとは考えにくいが、バイアス(偏り)が影響しているかもしれない。特に選択バイアス(選択の偏り)がこの関連と部分的にかかわっているかもしれない。
※本研究とグリーンランドらによるプール解析の2つの研究に関する評価。
ICNIRPの評価
実験的な証拠がないことや、疫学研究の不確実性から、電磁界との関連が確立している病気は存在しない。
小児白血病と高いレベルの磁界の関連は偶然であるとは考えられないが、部分的にバイアスが原因かもしれない。知られたメカニズムや再現性のある実験による支持がないため、この結果の解釈は難しい。
※本研究を含む、疫学研究全体に関する評価。
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